ふだんは、ほろんで相談に訪れる人たちを迎えるわたしたち。これからは、どんどんまちへ出ていきたいんです。夏には、みんなで高島おどりに参加しました。自由参加で職場へ呼びかけたら、15人も集まって!ほろんでお弁当を食べてから会場へ。「よし、踊ろっか!」。秋には、福祉がテーマの地域マルシェ「本庄っ子まつり」へ出展できることに。わーくる夢のメンバーとキャンドルワークショップを企画します。それから電動車いす体験と射的も。自分たちで企画から考えて、当日に向けた準備を進めていきます。
ほろんで働いていると、つくづく思うんです。自分の困りごとを人に相談するのって、ほんとうに勇気のいることだって。そして、自分一人では困っていることにもなかなか気づけないものだって。まずはわたしたちがこのまちにいることを知ってもらえたら。そして「あのさ」と話すところからはじめられたら。
ほろんを知ってもらう“入口”をいろいろつくりたくて、パネル展示を考えたり、射的の景品になる駄菓子を集めたり、電動車いす体験のルートを試してみたり。仕事のすきま時間に進めるマルシェの準備が楽しくて。あー、毎日こんなんがいいな(笑) 職員と利用者の仲も深まったと思う。キャンドルワークショップは、利用者のみんなと一緒に準備から進めることができたから。準備を進めながら、気づくこともたくさんあります。「ゆたか会の仕事ってなんだっけ?」と、自分たちの原点を再発見できたこともよかった。
「福祉」と聞くと、福祉サービスを思い浮かべるかもしれません。同じまちに暮らすひと同士が出会い、話し、関係しあうことを「ふくし」と呼んでみたい。マルシェの前の2週間は「福祉、ふくし、福祉、ふくし、福祉」という感じで。これを特別じゃなく日常にしたい。福祉とふくしがまざりあっていくと、一人ひとりの働きかたもゆたかになると思うんです。
ほろんの事業の一つに、相談支援専門員が行う「計画支援」があります。これは、障害のある人の「こうなりたい」を叶えていく事業です。最近、清湖園で暮らしているメンバーがほろんへ相談にくるようになりました。1.5kmの道のりを、電動車いすで歩いてやってきます。「新しい服を見に行きたい」「スーパーへ買いものに出かけたい」「電車に乗って京都で映画が観たい」。そうした外出支援も行っています。やりたいことが叶ったときのほんとうにいい表情を、相談支援専門員だけでなく、いろいろな人に見てもらいたいな。たとえば、清湖園の職員と一緒に京都へ行けないかな。あるいは、有償ボランティアとして地域の人がスーパーへ行けないかな。
ほろんの1階を、地域の人が集える場にしていきたいんです。マルシェに出展したことで「ほろんに駄菓子コーナーをつくったら、子どもたちが遊びに来たくなるかな?」と考えています。「ひまで行くところがない」という生活困窮の人を「ほろんに遊びに来たら?」と誘ってみたいんです。同じ空間で、学校帰りの高校生がおやつを食べながら自習してくれたら。そうやって職員も利用者もまちの人もいて、いつの間にかやりとりが生まれる場になれば。そう、特別が消えて、自然になるんだね。