ゆたか会

ゆたかのカタチVariety of happiness

廃車になっても
やさしい気持ちで

おおがまさん
清風荘

みどりのおじさん*のススメではじめた銃剣道。高校では国体の滋賀県代表選手に。推薦で東京の大学に進んだ。とくにやりたいこともなかったから、東京で就職活動をはじめた。売り手市場だったから、すぐに内定も出た、エンジニア職。

大学卒業間近にお父さんがなくなった。一度高島に帰ることになった。実家がひと段落して、自分の未来を考えはじめる。高島で暮らそう。いくつかある就職の選択肢。どうしようかな、と考えていたらふたたび登場、みどりのおじさん。

「ゆたか会行ってみたら?」

それから8年後の冬だったかな?大雪の朝にカーブで車がスリップした。車が側溝に落ちた。ケガはないみたいだけど、車体はななめ45度に傾いてる。運転席から抜け出せないぞ…そのとき声がした。「おーい、だいじょうぶかー」すぐ後ろを走ってたおじいさんが、ぼくを車から引っ張り出してくれた。おっきん椋川交流館に行って、囲炉裏に火をつけてくれた。「大雪で大変やったやろ?」「びっくりしたやろ?」あたたかい声かけに、涙が出た。

*スクールガードとも。子どもたちの通学を見守る地域のみなさんのこと

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